不動産賃貸借

1 不動産賃貸借契約の締結について

方針イメージ

 不動産賃貸借契約については、次のような各種の態様の契約が借地借家法(一部、旧借地法を含みます)に規定されています。

(1)宅地を対象とする(宅地)賃貸借契約

 ①契約の更新の制度があるもの・・・通常の宅地賃貸借契約

   この契約の中には、借地借家法(平成4年8月1日施行)施行前に、
  旧借地法に基づいて締結された借地契約の更新契約を含みます。
  この更新契約については、附則にある経過規定により、原則として、
  借地権の存続に関する規定は、借地借家法ではなく、
  旧借地法が適用されることになりますので、注意が必要です。

 ②契約の更新ができないもの

  ⅰ(一般)定期借地権設定契約
   存続期間を50年以上とし、
   契約更新及び建物築造による存続期間の延長がなく、
   かつ建物買取請求をしないこととする借地権の設定契約。

  ⅱ 事業用定期借地権設定契約
   専ら事業用に供する建物所有の目的で、
   存続期間を30年以上50年未満(借地借家法23条1項)
   又は10年以上30年未満(同法23条2項)とし、
   契約更新及び建物築造による存続期間の延長がなく、
   かつ建物買取請求をしないことする借地権の設定契約。
  
  ⅲ 建物譲渡特約付借地権設定契約
   借地権を設定する場合において、借地権契約に、次の特約、すなわち、
   借地権を消滅させるためその設定後30年以上を経過した日に借地権
   の目的である地上建物を設定者に相当の対価で譲渡する旨の建物譲渡
   特約を付することができるとする借地権の設定契約。

(2)建物を対象とする(建物)賃貸借契約

  ①契約の更新の制度があるもの・・・通常の建物賃貸借契約
   契約期間が満了しても、法定更新の制度があり、更新を拒絶するため
   には、貸主に正当事由が必要とされている。

  ②契約の更新ができないもの・・・定期建物賃貸借契約
   契約期間の満了により、賃貸借は更新されることなく終了し、
   終了するについて、正当事由等の制限も受けない賃貸借。
   契約の締結に際しては、賃貸人は、賃借人に対し、
   本契約が更新のない契約であることを書面を交付して説明する必要が
   ある。それがないと、この契約は通常の賃貸借契約になってしまう。

 以上のほか、臨時の使用のためにする「一時使用目的の賃貸借契約」など、種々の態様の契約を設定することが可能です。

 なお、これら各種の契約については、契約書式等が市販されておりますが、これらを参考にされるときには、当然のことながら、その記載されている条項の意味内容をよくご理解の上利用していただくことが肝要と思います。

 契約の締結をお考えの際には、是非、当事務所にご相談いただければと思います。

もちろん、契約書作成のお手伝いもさせていただいております。

2 賃貸借契約の締結後における諸問題

 また契約締結後においては、次のような問題も起こり得ると思います。

(1)賃料の支払いの滞納。

(2)用法違反等による、契約の解除や建物明渡し請求。

(3)契約終了時における敷金の返還。

 その他、賃貸借契約に関する各種の問題についてもご相談を承っております。

 契約関係についてトラブルが出てきたときには、お早目にご相談ください。

 

3 上記2のご相談時にご持参いただきたい物

 ①賃貸借契約書写し及び付随文書
 ②今回の紛争に関する時系列表
 ③相手方との交換文書など
 ④賃料の授受関係の書類綴り
 通常は、以上のものをご持参いただければと思います。それ以外につきましては、お電話でお話を伺ったうえで、お伝えできると思います。
お気軽にご相談ください。