1 境界紛争
隣地との境界争いは、もっとも典型的な民事訴訟の一つです。
この紛争は、ともすれば、経済的見地を度外視してお互いの意地の張り合いによって、紛争が泥沼化するおそれがあります。
できるだけお互いが尊敬できる第三者を間に立てて、冷静かつ客観的な紛争解決を図ることが大切かと思われます。
(1) 紛争の実態を把握するためには、次の資料を収集する必要があります。
①公図・測量図等を市役所等から入手する。
②境界付近の土地の使用状況について、時系列表を作成する。
③土地の地勢形状を現地でよく見て、写真撮影報告書を作成する。
④これまでの双方の交渉状況の時系列表を作成する。
(2) 紛争解決の手続の選択
このような紛争を解決する手続としては、次のようなものが考えられます。
①相手方と交渉し、話し合いでまとめる。
②土地の境界線を法務局の筆界特定登記官に決めてもらう筆界特定制度を利用する。
※これは、地番ごとの土地の境を決める手続です。
直接、所有地の境を決めるものではありません。
③簡裁に、民事調停を申し立てる。
④地裁又は簡裁に民事訴訟を提起する。
(3)紛争解決の手順
① 上記(1)の資料をもとに、ご本人から説明及びご意向をお聞きし、
大まかな方針を決定する。
② 上記①をもとにして、相手方と交渉する。
③ 所有地の境界線が不明確だが、法務局での筆界特定制度で特定してもらえばい いという合意であれば、筆界特定手続を申立てる。
④ 以上で解決が困難であれば、調停、次いで訴訟提起を考える。
一般的に、解決までには以上のような経過をたどることになりますが、いずれの段階でも、話し合いによってまとめる機会はあります。
隣同士ということでもありますので、お互い争うところは争っても、最終的には、話し合いで、落としどころを探ることが最も重要と思います。
当事務所へのご依頼をお待ちします。
2 その他の問題
そのほか、近隣関係の問題としては、隣地に建築中の建物が境界線に接し過ぎている、日照が妨げられそうで心配、同じマンションの入居者が管理費を大分滞納して困っているなど、日常的に多様な問題が生起すると思われます。
お困りの際には、お早目にご相談いただければ、解決に向けたアドバイスをさせていただきます。ご連絡をお待ちします。