遺言書の作成

 遺言書を作成しておくことの大切さ

方針イメージ

 まず、老後のご準備として、どなたでもご自分の財産の承継についてお考えと思います。民法では、財産の相続については原則的な順番が定められております。
 しかし、この順番だけでは、実際のご家族の姿に見合った財産承継にはならない場合もあり、却って遺産の分割を巡って、仲の良かったご家族の関係が険悪になってしまうことも少なくありません。
 このような事態を未然に防いで、ご自分が亡くなった後に揉め事を残さないようにすることも、あなたのご家族に対する愛情の表現ではないでしょうか。

 終活という言葉がよく聞かれるようになった昨今、その一つとして、遺言書を作成することを、是非お勧めします。
 遺言書を作成しておくことにより、一定の範囲で、民法の定める順番や割合に関わらず、ご自分の望む方に自由に財産を遺すことができます。
 「遺言について相談したいけれど、弁護士事務所に行くのはちょっと・・・」などためらう方もおられるかもしれませんが、当事務所では、長年公証人として遺言書の作成に深く関わってきた弁護士がご相談を承りますので、是非お気軽にご相談ください。
 何種類かある遺言の方式のうちどれが良いのか、またご自分の意思を最大限生かした遺言にするためにはどのような内容にすべきかなど、種々のご疑問に親身に対応させていただきます。

2 特に遺言書の作成が必要と思われる場合

 次のような場合には、遺言書を作成しておくことを特にお勧めします。
① 夫婦間に子がいない(例:両親は他界し、兄弟姉妹がいる場合、兄弟姉妹に
は「遺留分」がないので、遺言で定めることが決定的となります)。
② 障害を持つ子がいるため、子の行く末について心配がある(遺言信託の利用
がお勧めです)。
③ 子の配偶者に財産の一部を与えたい(例:同居している長男のお嫁さん等、
お世話になっているが法定相続人ではない)。
④ 再婚し、前妻との間に子がいる(遺言がないと、ご自分の亡くなられた後
に、遺産分割協議が必要になる)。
⑤ 認知していない子がいる(このままで相続が開始すると、相続人と認知さ
れていない子との間に大きな紛争の原因を残すことになる)。
⑥ 推定相続人(今、相続が開始した場合の相続人のこと)同士が不仲。
⑦ 推定相続人の中に行方不明者や浪費者がいる。
⑧ 内縁関係にある人に財産の一部を与えたい(上記③類似のケースになりま
す)。
⑨ 事業を特定の者に承継させたい(均分相続による弊害への対応です)。
⑩ 農業を特定の子に承継させたい(上記⑨と類似のケースになります)。
⑪ 遺言によって特定の相続人を廃除したい、又は既に行った生前廃除を取り
消したい(「廃除」は、推定相続人に一定の非行があったときに、被相続人が
家庭裁判所に請求してその相続権を奪うこと)。
⑫ 相続人がいない(この場合には遺言がないと、遺産は最終的に国庫に帰属
することになります。)。
 上記のような場合には、遺言によってご自分の意思を明確にしておくことが
特に求められると思います。
 まずは、ご相談ください。

3 遺言の方法

 遺言書の作成方法には法律上、何種類か規定されています。
一般的な方法としては、次の2種類があげられます。
 ①自筆証書遺言
 ②公正証書遺言
 それぞれ長短がありますが、公証役場で保存するので保管が確実であり、遺言者が亡くなった後に、相続人の方が公証役場に尋ねれば遺言書があるかどうかの確認も容易な②の方法がお勧めです。
 また、①の方法に拠るにしても、遺言書作成の方式に不備があると、折角作成した遺言書が無効になってしまう場合がありますので、専門家による内容のチェックは大切です。

4 遺言執行

 遺言者が死亡すると相続が開始しますが、遺言書において遺言執行者が指定されてある場合には、その者が就職を承諾すれば、遺言執行の任務を開始することになります。
 遺言執行者は、財産目録を調整するとともに、遺言に従って、財産の承継手続を行うことになります。

5 ご相談後の流れについて

 遺言書の作成について、事務所でご相談いただいた上で、その作成の援助をご依頼いただけるという場合には、遺言についての基本的なお考えや資料等をご提示いただき、それらを検討させていただいた上で、責任を持って遺言書作成のお手伝いをさせていただきます。
 まずはお電話でご予約の上、ご相談においでいただければと思います。